第27回 日本口腔顎顔面技工学会学術大会 報告書

「第27回 日本口腔顎顔面技工学会学術大会」 報告書

広報 八瀬河

 令和7年9月20日(土)、兵庫医科大学 西宮キャンパス 平成記念会館にて表題の学会が、一般社団法人 兵庫県歯科医師会、兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座同門会、そして弊会協賛により、実施されました。
大会テーマは「残せ技術、伝えろノウハウ! ~学校では教わらない顎顔面領域の技工~」というなみなみならぬ熱さを感じさせ、会場では現役の歯科技工士だけではなく、技工士学校の学生の姿も見られました。

 口腔がんにより骨を含む組織を大きく失った患者さんには、機能回復のためにリハビリと顎義歯などの装置が必要となり、その装置は歯科医師の技工指示書に基づき、歯科技工士が製作します。技工業界はデジタル化真っ只中にありますが発表で触れられた骨切りガイド設計のソフトウェアやシミュレーション模型出力機器などは、医科ですでに使用されているものを、かなり早い段階から導入・活用しているように見受けられました。

 主に大学附属病院あるいは病院で勤務している「病院」技工士は、歯科だけでなく形成外科などの他科のドクターや、放射線技師などの他職種とも連携が必要となり、一般的な「ラボ」の技工士、歯科医院に勤務する「院内」技工士とはまた違ったパフォーマンスと能力を求められます。私はこの学会の会員となってもうすぐ10年ほどになりますが、そういった人材を育てるためか、この学会での一般口演では、質疑応答の場面を非常に印象深く感じています。今学術大会では一般口演は三回に分けられ、トータルで10人が発表し、質疑応答ではフロアから容赦なく質問が飛び、きわめて活発な意見交換がなされ、ただ参加しているだけでも、非常に見ごたえがありました

 数少ない第二次・第三次医療機関で日々暗躍している歯科技工士が、次の世代へしっかりバトンを渡す場として、今回掲げられたテーマ「残せ技術 伝えろノウハウ!」通りに今学術大会が実施されたのを、協賛団体の立場から見届けることができました。今後も同学会の学術大会を楽しみにしています。